以前イロスのレビュー記事で、「RKPトラックは、ブッシュとウィールの2つを変えるだけで全く違う乗り心地になりますよ。」とおすすめしました。
今回はウィール交換編。
全然関係ないんだけど、なぜスケートボードでは車輪の事を “ウィール” と本来の英語に近い発音呼ばれるのに、車のウィールは “ホイール” と呼ばれるのか?
僕には不思議過ぎて全く理解出来ないでいる・・・。
(´・ω・`)
elosのウィール交換
余談はこれぐらいにして、前回カイロの5度角度のハードアングルライザーを輸入して装着。
フロントトラックのピボット角度を55度、リアトラックを45度に。
更に自作シリコンショックパッドと組み合わせて、比較的パンピングし易くなった。
そして!!
ここから更にウィールのグリップを増す為、CP(コンタクトパッチ)が広めでリップが比較的シャープな物にウィール交換。
ウィールのグリップが増す事でカービング性能が格段に向上し、パンピングした時により加速し易くなる事が狙いだ。
ウィールのCP
ウィールの直径の後によく “CP○○mm” と商品説明欄で見た事はないだろうか。
種類によっては、ウィール側面にもよくデザインされ表記されている。
コンタクトパッチとはウィールと地面の接地面の広さを意味する。
CPが広ければ広い程グリップが増し、特にデュロメーターが低く柔らかいウィールになる程、1度出した速度を維持する性能が上がる。
日本のスケーターがよく誤解しているパターンとして、CPが広い=接地面が多い分摩擦でスピードが落ちやすいと思っている人が意外にも多い。
様々なウィールを使用する他のスポーツはそうかも知れないが、多くのクルーザーボードセッティングでは実際には真逆である。
と言うのも、スケートボードウィールの大半は一般的にウレタン性またはウレタンが多く使用された材質で構成されている。
特に柔らかいデュロメーターのクルージング用ウレタンウィールは、負荷がかかると潰れて転がり抵抗が一気に増えてしまうので、常に潰れた状態のウィールではすぐに速度が落ちる結果に。
幅が広いと、より広い面積にライダーの体重が分散されウィールが潰れない。
つまり、CPが広い=速度が落ちにくく、1度出したスピード維持能力に優れるという事。
唯一のデメリットとしては、ウィールが大きくなったり同じ大きさでも幅が広いと当然重くなる。
プッシュした際のトップスピードや速度維持能力に優れても、重いと加速は鈍くなる。
どんなボードやセッティングでも共通するが、トップスピードと加速は常にトレードオフ。
ウィールのLIP
ウィールのリップとは、ウィールのエッジがどういった形をしているのかを示す。
特殊なウィールを除き、大抵はこの4種類のどれかになる。
- ラウンド
- ベベルド
- スクエア
- シャープ
ラウンドはエッジが丸く、ベベルドはエッジが大きく面取りされている形状、スクエアは地面に垂直な面がウィールの側面にあり、シャープはエッジが非常に薄く1番シャープなもの。
スクエアとシャープは厳密には違うものの、メーカーやブランドによってどちらもスクエアだったりシャープと呼ぶ場合もある。
リップがシャープなもの程グリップ性能が高くなるので、シャープ + スクエア > ベベルド > ラウンドの順にグリップ力がある。
スラッシュやスライド性能であれば、真逆の順番になる。
つまり、最大の加速を実現するにはCPが広くリップがスクエア、またはシャープな物を選ぶ事。
(勿論ボードやトラックもスラローム仕様が1番加速するが、今回はelosを加速させる事が前提の話である)
ラウンドリップはラウンドリップでメリットがあるのだが、初心者に解りやすく解説するサイトが日本ではあまり無い為、また詳しくウィールガイドでも別記事で書く際に触れようと思う。
そんなこんなで新ウィールに様々な候補が挙がる中、去年からずっと欲しかったウィールが頭に浮かぶ・・・。
デザインも好みで機能性が神がかったウィールなのだ。
ただ!!調べた結果・・・・日本で販売されていなかった・・・。(笑)
-完- ( ˘ω˘)スヤァ…
なので輸入しました。
※ 追記: 2020年10月現在、プロスケーター森田貴宏さんがプロデュースするブランド、W.P.S.Iからつい最近発売されたハードコアソフトスライドウィールが72mm 78a スクエアリップ 幅56mm CP54mmと、Plow kingに非常に近いウィールが日本国内でも登場しました!
ただし!!W.P.S.Iのウィールはロールスピードを高める為に、ミディアムコアを採用しています。
例え同じデュロメーターでも、コアが大きくなる程ウィール中心に芯が通るように硬くなり、若干ロールスピードの上がり特にスライドがし易くなりますが、ショック吸収性能や深いカービングのフィーリングは薄くなります。
快適に悪路を走行したり、より静かにゆったりと街乗りしたり、深いカービングをしたい場合はPlow king。
ロールスピードを重視しつつ、スライドを常にしたい場合はW.P.S.IのHARDCORE SOFT SLIDEウィールで良いと思います。
名前にスライドとついているだけあり、ソフトウィールでスライドしたい方向けといっても良いでしょう。
HAWGS PLOW KING
選んだウィールは、HAWGSシリーズのPLOW KING(プラウキング)。
ホーグスシリーズと言えば、言わずと知れた世界で最も人気のクルーザーボード、Dinghy(ディンギー)を制作するLandyachtz(ランドヤッツ)のコンプリートデックに使用されているもの。
Plow Kingは多くのロングボードモデルでも採用されていて、ディンギーに関しては2019年モデルのホロウテックディンギーや、2020年モデルの新しくなったターボキングディンギーにも標準でついている。
スペックとしては
- 直径: 72mm
- 幅: 62mm
- CP: 60mm
- リップ: スクエア
- デュロメーター: 78A
- コアプレイスメント: オフセット
- ウィールサーフェイス: ストーングラウンド
という、何ともエグいグリップをするために生まれたような仕様。
そしてデザインが非常に好み。(カラーは3種類あるよ)
ロングボードメーカーとしてお馴染みのローデッドが展開する、オランガタンウィールシリーズと同様にウィールコアに向かってすり鉢状になったエッジ。
78Aだと超スクイッシー(握るとぐにゃんとする感じ)で、これが半端無いグリップを生む。
片手で握ったところの画像だが、王冠の上あたりが少しぐにゃっと潰れているのが分かるだろうか・・・?
外側にくる側面へは少しだけエッジは丸めてあるものの、かなりシャープなエッジ。
内側へくる側面へは、少し面取りしたようなイメージ。
そして様々な角度から、elos純正ウィールと比較。
ラウンドリップの純正と比べると、角ばったシャープリップでplow kingの幅が際立つ。
ウィール交換後がこちら。
ウィール幅がある分更に安定感が増し、思いっきり体重をかけてパンプしてカーブする際に、ウィールのエッジがぐにゃっと潰れて反発して加速してくれているのを体感・・・!
何より1回のプッシュの伸びが劇的に変わる。
まだブッシュ交換をしていないのに、ウィールを変えるだけでパンプして進むようになったのであった。
ここまで読んでくれた方は、「結局国内で販売されているウィールだったらどれがelosに合うんだよ・・・」と、心の中で突っ込んだ方も居るだろう。
という事で、国内で比較的容易に入手出来るelosにおすすめのウィールはこちらの記事からどうぞ。