以前、シリコンシートを購入しシリコン製ショックパッドを自作。
注文したカイロのアングルライザーパッド (0.5 Khiro Angled Wedge Hard Risers)が届いたので、一緒に装着してみた。
日本ではアングルライザーなんて呼ばれるけど、アングルドゥ・ウェッジ・ハードゥライザーズが正式名称。
アングルドゥ、つまり角度のついたライザーという意味ですね。
英語では、アングルライザーなどでトラックに角度をつける事をウェッジする、という表現をします。
海外のショップに注文する際等はご注意あれ。
アングルライザーパッドを装着すると何が変わるのか
まず、アングルライザーパッドの用途や効果、トラックのカービングメカニズムの仕組み自体を理解していない方にざっくりと説明。
アングルライザーパッドは様々な角度の物が存在し、基本的にはトラックのベースプレート角度調整やピポッド角度調整に使用します。
それにより、カーブ性能を強めたり、リーン性能を強める事が出来る。
トラックはピボットを軸にハンガーが回転し、ハンガーの回転に伴いウィールが前後に動く事ではじめてスケートボードはカーブします。
TKPトラック (スタンダードなトラック)もRKP (elosの他、ロングボードに多く使用されるトラック)も、アングルライザーパッドの使用で同様の効果を得ますが、トラックの構造上、特に角度がより大きな影響を与えるRKPは効果が絶大。
非常に便利なのは、前後それぞれのトラックにアングルライザーパッドをつける際、つける向きによって用途や性能、ライディングのフィーリングを変化させる汎用性。
詳しくはこちらの記事を参考にどうぞ。
記事中で紹介するつけ方は、リアトラック方向への推進力は最も低くなりますが、フロントトラック方向への推進力が最も高くなります。
(トリック用ボードとは違い、elosを含む大抵のクルーザーボードの前後は形が決まっていて、elosでトリックをする事も無い為問題無い)
今回のセットアップは、フロントトラックのピポッド角度を増しターン性能を上げ、リアトラックのピポッド角度を減らしリーン性能を上げるセットアップで、パンピングが最もし易くなるセットアップ。
今回の使用したアングルライザーパッドは5度の傾斜がついたもの。
elosのトラックは前後共にピポッド角度が50度。
つまり、今回の僕のセットアップではフロントトラックを55度に、リアトラックを45度になる。
シリコンショックパッドとアングルライザーをセット
さて、まずはボードにビスを通してシリコンショックパッドを・・・
と思ったら、elosのボードの規格や形ではリバースキングピントラックを装着すると若干外にはみ出る。
パッドが長方形だと、前後共に少しはみ出てしまうので角をカットしてすっきりさせる。
そしてカイロのアングルライザー登場!
ライザー側面から見ると、ちゃんと角度がついている事がわかる。
少しボードに高さを出しつつ、トラックを5度傾ける事が出来る。
シリコンが1番潰れて効果を発揮してくれるであろう、ボードとアングルライザーの間へ設置!
前後で変化が比較出来るよう、まずはフロントトラックにつけた所から・・・
クローズアップ。
この画像では、実はまだビスを締め切っていない。
仮留め状態で、ここから更に全てのビスをナットで締めていくと結構潰れ、ぷよぷよしていたシリコンが程よい硬さになる。
前後両方のトラックにつけるとこんな感じ。
0.5インチといっても角度のついているトラックを更に斜めにするので、そのまま1.27cmボードが高くなる訳では無く、実際にメジャーで計った際の変化も1cm未満。
乗ると確かに少し高くなった感は分かるものの、大きな変化ではないのですぐ慣れたのでした。
国内のオンラインストアを探し回っても、このアングルライザーパッドはどこも売り切れ状態だった。
僕はいつ入荷するのか分からない品を待つのが面倒だったので海外から直接輸入しましたが、デザインやメーカーにこだわりが無ければアマゾンでもすぐに同じ角度のアングルライザーパッドが販売されています。
深刻な六角ビス不足の話
これはちょっとした余談なんですが・・・
シルバー色の六角ビスって、日本国内に全然なくないですか!?(笑)
elosの純正が六角ビスで、黒よりもシルバー色が近かった為探したらオンラインショップで全然無い。
今使用している国内のオンラインストア10店舗見ても、希望の種類のバラ売りをしていた店舗が1つだけ・・・。
そして、販売されていたものは希望の長さではなかった・・・。
・・・南無・・・(合掌)
探しても探しても、長さやカラーのバリエーションはあるものの、それらの大半は黒いプラスドライバー用のビスばかり。
という事でこれも海外のショップから輸入。
fireballのハードウェアは通常のプラスドライバー用ビス、今回僕が購入したフラットヘッドの六角、ボタンヘッド(上部が丸い半球型)の六角と種類も選べて良い!
アングルライザーパッドを装着した結果
たったの5度の変化でも、前後トラックでは10度の変化があり劇的にパンピングし易くなった。
むしろもっと角度を前後でつければ、更にフロントを少ない力で振ってリアでリーンを稼げそう。
基本的には、ボードの高さが出ると安定性と直進性能が低下する代わりに、より少ない踏み込みで大きな力でパンプする事が出来る。
ボードの安定性と直進性が低下すると聞くと不安になる人も居るかも知れないが、今回の変化は凄く小さくそこまで影響は無さそう。(高くなったのも7~8mm程)
むしろ、ウィールベースも短くボード自体も短いelosはスピードが出難いので、直進性能を気にするよりもパンピングのし易さを重視した方が快適に走行出来る。
また、フラットなライザーパッドでもアングルライザーパッドでも、つける事でよりブッシュへの負担が大きくなる為、更にブッシュ性能を引き出す事が出来る。
elosでパンピングする為のヒント
elosはボード自体も18インチと小さく、ハードロックメイプルで作られている為ボードがそもそもしならない。
それ故にフレックス系のしなるボードとは違い、パンプ出来ないと全く推進力は生まれない。
しなるボードは、ボード上で飛び跳ねるようにジャンプしてしならせれば推進力が勝手に生まれるが、elosではそれが出来ないのだ。
実際にelosでパンピングしていると、サーフ系の動きに近い上半身を使い腰をひねる動作がより必要になってくる事が分かる。
より快適なパンピングで進み続ける為には、ライダーの体重に合わせた正しいブッシュ選び、前後のトラックの硬さや角度、効率の良いパンピング動作が重要。
また、常に反比例するカーブ性能 vs リーン性能を理解すると、ブッシュやトラックの調整でやるべき事が見えてくる。
(カーブ vs リーンはパンピングする上では必ず必要な知識なので、詳しくメカニズムが記載されている海外サイトなどを参考にすると良い。少なくとも日本語で詳しく紹介されているページは見つからなかった。)
今回の調整で、理想のパンピングし易いセッティングに一歩近づけた
・・・気がする。( ˘ω˘)スヤァ…
またそのうち別のパーツも交換していく記事を追加していきます。