以前、おすすめ最強クルーザーウィールとしてPlow Kingを紹介。
グリップ性能が格段に上がりelosでパンピングし易くなり、ウィールの大きさとコンタクトパッチ(ウィール幅)からトップスピードと速度維持性能が格段にアップしたのでした。
しかし、残念ながらこのウィールは国内販売されていないので、国内でも流通しているクルーザーウィールの中からelosやその他クルーザーボードに最適なウィールを紹介していきますよ~!
elosに最適なウィールとしての条件
おすすめウィールを紹介する前に、elosのライディングを快適にしてくれる条件を確認します。
elosは特殊なミニクルーザーボードです。
一般的なクルーザーボードとは違い、elos特有の注意点を考慮しながら各項目を検討する必要があります。
ウィールの大きさ
elos海外公式ページのQ&Aでは、ウィールを交換する際は65~75mmのウィールが1番快適に乗れるよう設計されている、との事。
これはelosが特殊な小ささ故に、トリック用ボードで好まれる52mm~56mmでは安定性に欠け、ただでさえ段差などに弱いelosが更に悪路に弱くなるからです。
僕も実際に通勤で使用してみて、純正の72mmウィールでさえ乗り慣れないとちょっとした段差を滑りながら下りる際にバランスを崩したりしました。
また、小さなウィールを使用するとelosの形状が卵型なので、思い切りリーンした際にボードが路面に着く可能性もあります。
どんなに小さいウィールが好みでも60mmが良いです。
逆に大き目なウィールが好きな人は、ウィールバイトも考えると公式の案内通り上限を75mmで考えた方が良いですね。
70mm以上のウィールであれば、大抵の路面上の割れや欠け、小さな段差などはロールオーバー(乗り越える事が)出来ます。
ウィールのデュロメーター
純正elosウィールが76Aとソフトなので、純正である程度滑ってみて快適であればそれに近いデュロメーターが良いでしょう。
あとは自分のライディングスタイルと、使用環境によるとしか言えないです。
生活エリアやこれから使用しようと思っているエリアの路面が舗装されていれば、もう少し固めの方がスピードも出ます。
ただし、デュロメーターが固くなる程スケートする際の振動は大きく感じます。
ソフトウィールの良い所は、路面を滑った際の衝撃を吸収しロール音が静かな事。
トリック用のボードで路面をスケートすると「ガァー」と高く大きな音が鳴るのに対して、ソフトウィールは「ゴォー」と低く静かな音になります。
また、デュロメーターが柔らかい程グリップ力が増し、硬くなる程にグリップ力は無くなります。
快適な乗り心地やグリップが欲しい人はソフトな75a前後。
舗装された路面でスピードが出て適度なグリップが欲しい人はバランス型の80a前後。
悪路で走行せず舗装されたエリアでしか使用しない人は85~90aが良いですね。
ウィールのLIP(リップ)
ウィールのリップとは、ウィールのエッジの形状の事。
例えば冒頭で貼った別記事では僕が使用しているウィールとelos純正ウィールを比較しています。
左側が僕が使用しているシャープリップのウィールで右側が純正ウィール。
リップはラウンド、シャープ、スクエアの3種類。
ラウンドはエッジが丸く、シャープは比較的エッジが角ばった形状、スクエアはエッジが90度で1番シャープなもの。
リップが丸いもの程段差などを横断した際のトランジションが滑らかになるが、グリップ力が無い。
(丸い部分が段差の角などに徐々に当たり、段差を乗り降りand/or横断する際に衝撃の波が緩やかになる)
逆にリップがシャープなもの程グリップ性能が高くなるので、スクエア > シャープ > ラウンドの順にグリップ力があるが、溝や段差などにウィールの角がとられやすい。
上記の特徴を見てもらうと、丸いリップも角のリップもメリットとデメリットがそれぞれあり、トレードオフとなってます。
僕のように街中でパンピングして走行する場合は、間違いなくシャープリップかスクエアリップを選びましょう。
ソフトデュロメーターのシャープよりのリップのウィールであれば、パンピングが一気にし易くなります。
ウィールのCP(コンタクトパッチ)
冒頭に貼った別記事にも詳しく書きましたが、ウィールのCPとはウィールと路面の接地面の幅。
ラウンドリップであれば中央の接地面、シャープリップであればほぼウィール幅、スクエアリップであればウィール幅がCPとなります。
CPが広くなる程グリップ力が高くなり、狭くなる程グリップ力が低くなります。
この辺りは完全に好みですが、パンピングするならCPがある程度あるウィールをおすすめします。
いくらリップがシャープやスクエアでも、CPが無いと路面をとらえる力は低くなりますね。
これはウィールがソフトになればなる程に顕著に出る特徴です。
CPが広い程、1度出した速度が低下しにくいです。つまりプッシュやパンプの伸びが良くなります。
多くのソフトウィールの主材料がウレタンです。
ソフトになればなる程ライダーの体重がウィールに乗った際に圧縮され変形し、転がり抵抗が増えます。
転がり抵抗が増える程、速度がすぐに低下します。
狭い面積でライダーの体重を支えると当然より大きくウィールは潰れますが、広い面積で分散してあげる事でウィールの形状変化が少なく、転がり抵抗を少なく抑える事が出来るのです。
よく自転車のようなイメージで、スケートボードもウィールが細い方がスピードが出ると勘違いしている方が居ますが、ソフトウィールになればなる程逆となります。
CPが狭いとすぐに速度は落ちるので、是非機会があれば試してみて下さい。
(実際に時速100km以上出るようなスケートボードのダウンヒル用ウィールは全てCPが広いです。グリップ性能を重視するのも勿論ですが、1度出たスピードを維持する為でもあります。)
elosにおすすめのウィール
上記で紹介した条件を考慮し、おすすめするウィールはオランガタンウィールです。
Orangatang(オランガタン)ウィールとは、ロングボード(日本で言うロングスケートボード)メーカーLOADED(ローデッド)が開発・販売しているウィールのシリーズの事。
フリーライドボード、クルーザーボード、ロングボード用に様々な直径、リップ、ベアリングシート、デュロメーター別に種類がとにかく豊富!
癖が無く反発性が高いので、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
そんなオランガタンウィールの中でも、クルーザーボードに向いているベアリングシートがオフセットのものを、リップ別に紹介します。
ラウンドリップ
まずはトランジション重視で乗りたい人向けのラウンドリップから。
Fat Free(ファットフリー)
スペック:
- 直径: 65mm
- 幅: 45mm
- CP: 37mm
- スタイル: ラウンドリップ、ストーングラウンド仕上げ
- ベアリングシート: オフセット
- デュロメーター: 77a, 80a, 83a, 86a
Stimulus(スティミュラス)
スペック:
- 直径: 70mm
- 幅: 49mm
- CP: 42mm
- スタイル: ラウンドリップ、ストーングラウンド仕上げ
- ベアリングシート: オフセット
- デュロメーター: 77a, 80a, 83a, 86a
Durian(デュリアン) ※日本のサイトではドリアンと誤表記されている。
スペック:
- 直径: 75mm
- 幅: 52mm
- CP: 45mm
- スタイル: ラウンドリップ、ストーングラウンド仕上げ
- ベアリングシート: オフセット
- デュロメーター: 80a, 83a, 86a
上記3種類のうち、デュリアンだけ77aのデュロメーターが存在しません。
ラウンドリップでソフトウィールをお探しの方は、スティミュラスをおすすめします。
シャープリップ
グリップ性能を高め、カービング、ターニング、パンピングしたい人はシャープリップ。
サーフェススキン仕上げの表面はストーングラウンド仕上げに比べると、かなりグリッピー。
4President(フォープレジデント)
スペック:
- 直径: 70mm
- 幅: 53mm
- CP: 53mm
- スタイル: シャープリップ、サーフェススキン仕上げ
- ベアリングシート: オフセット
- デュロメーター: 77a,80a, 83a, 86a
In Heat(インヒート)
スペック:
- 直径: 75mm
- 幅: 56mm
- CP: 56mm
- スタイル: シャープリップ、サーフェススキン仕上げ
- ベアリングシート: オフセット
- デュロメーター: 77a,80a, 83a, 86a
紹介したどの種類も、豊富なデュロメーターから選べるので自分の好みに合ったウィールが見つかりやすく、スケートを快適にしてくれる素敵ウィールばかりなので是非お試しあれ。
elosやその他ミニクルーザーボードに最適なウィールまとめ
- elosは65~75mmウィールが快適になるよう設計されている
- デュロメーターは自分のライディングスタイルと使用する路面環境に合わせよう
- 安定性やグリップ力ならスクエア or シャープリップ、トランジション重視ならラウンドリップ
- 1度プッシュやパンプした速度を維持するならCPが広めのものを
基本的にCPが広い程ウィールのトラクションが増え、感覚的にも足裏により多くの路面情報が伝わります。
また、リップ形状関係無くウィールの直径が大きくなる程重さは必然的に増えていくので、限りなく軽量に抑えたい人は小さめの経が良いかも知れません。
自分の好みや使用する環境、目的によって最適なウィールは変化するので自分のライディングスタイルに合ったものを選びましょう。
今回紹介したウィールは、elosよりも長い一般的なクルーザーボードから、それよりも長いインチのロングボードまで幅広く対応出来るウィールです。
elosに限らず快適に使用出来るウィールばかりなので、是非他のボードでも試してみて下さい。
また、ウィールとブッシュを交換するだけでelosを含めた大抵のボードは乗り心地が全く変わるので、ブッシュ交換したこちらの記事もチェックしてみて下さい。