elos純正トラックで暫く通勤し、幅広いトラック故の安定性にも慣れてきたが、やはり幅があるウィールを取り付けると外にだいぶ張り出す。
因みに、今使用しているウィールについてはこちら。
これではあまりにもウィールがボードから突き出しているし、Penny(ペニー)のようにリーンした際ウィールのエッジを感じるターンが出来るボードにしたいと思い、TKPを探す事に。
世界最小級軽量ミニクルーザーを初心者でも気軽に・・・といったelosの開発コンセプトからは遠のくものの、ショートクルーザーと言ったらやはり幅もボードやウィールに合わせたTKPが良い。
(メリットはいくつかあるので後程解説)
TKPといってもトリックをするボードではない為、出来るだけクルージングが快適になるトラックを選びたい。
そこで、TKPの中でもキビキビよく曲がると評判のParis(パリス)のTKPをチョイス。
Paris TKPトラックに交換したら、トラック幅の狭くなりウィールのエッジを使ったpennyのようなカーブが可能に。
直進性能とグリップ性能が上がる事でパンピングのスピードも速くなり、左右にリーンするのが気持ちのいいスーパーミニクルーザーに仕上がったのである!
elosライダーは勿論、是非ミニクルーザーやクルーザーボード、ロングボード用にTKPをお探しの方は、1つのオプションとしてこの記事を参考にどうぞ。
elosのトラックをTKPにするメリット
まず初めに、elosのデフォルトトラックがRKPなのに、何故トラック幅の狭いRKPにせずTKPに変えたのか。
これにはいくつか理由がある。
直進性能が上がる
RKPは構造上、前後のトラックのハンガー部分がボード中央側に寄る。
必然的に前後のウィールがボード中心側にくるので、TKPと比べてどうしてもウィールベースが短くなる。
僕の個人的な感覚だが、これが26インチ以上のクルーザーボードであればそれ程気にならない。
しかしelosは僅か18インチ、pennyに比べても約10cmも短いボードとなる。
ただでさえボードもウィールベースも短いので、快適に滑る為にも可能な限りウィールベースは伸ばしたい。
直進性能が伸びれば当然スピードも出やすく、前後方向に対しての安定性も若干上がる。
グリップ性能が高くなる
これはTKP特有のメリットではく、より幅を狭めた意味となる。
トラック幅を狭くする事で、リーンする際にウィールのエッジにウェイトを置いたカービングが可能に。
結果として、グリッピーなシャープリップのウィール本来のグリップ性能を引き出せるのだ。
全てのスケートボードに対して言える事だが、そもそもウィールも含めた幅をボード幅と調整する必要がある。
理想はボード幅とウィールの端が同じ直線状に並ぶか、ウィールが少し出るぐらい。
純正ウィールよりも幅が一気に広くなった為、必然的により狭い幅のトラックでないとリーンした際のウェイトバランスがおかしくなる。
これはTKPを選ばずRKPを選んでいたとしても、幅がより狭いものを取り付ける必要があった。
パンピングした際のトップスピードが上がる
ウィールベースが伸び、シャープリップ形状のウィールのエッジにウェイトが乗る事によって、当然ウィールの反発性をフルに使えるようになったので、パンプした後の加速も伸びる。
機動性が上がる
英語ではアジリティーが上がるとよく表現される。
より幅の狭いトラックは基本的に、左右の安定性と引き換えにキビキビとした素早いターンやカービングが出来るようになる。
これはTKPでもRKPでも共通する事だが、トラックの構造上TKPの方が大きく体感出来る。
(RKPはリーン直後から1番深い角度でカービング出来るが、TKPは徐々にカーブが深くなる為)
elosのコンセプトからは大きく方向転換するが、街中の障害物を避けながらスイスイ乗る為には最適。
Paris TKPを選んだ理由
汎用性が抜群に高い
Paris(パリス)と聞くと、日本ではどうしてもSAVANTやParisの代名詞とも言えるRKPトラックのV3をイメージする人が多いが、海外ではTKPもかなり親しまれている。
日本人スケーターはあまり知らないかも知れないが、実はParisのTKPは非常に汎用性が高いトラック。
海外ではクルーザーボードには勿論、レギュラーボードにはかせてフリースタイル、ロングボードにはかせてクルージングなど、幅広い用途で選ばれている。
その汎用性の高さは、下記項目から由来する。
選べるトラック幅が豊富で価格もリーズナブル
ボード幅に合わせて4種類から選べる。
169mm、149mm、129mm、108mmとメインストリームをしっかりと抑えたバリエーション。
価格に関しても非常にリーズナブル。
僕が購入した際の購入先はスケートショップではなく、海外商品をインポート販売している日本企業のページにたまたまローデッドの商品があり、パリストラックを見つけた。
(ローデッドというメーカーは、海外でもロングボード専門メーカーとしては1番有名。オランガタンウィールシリーズやパリストラックもローデッドの商品である。)
その時の価格がこれ。
税込みで¥4,180とか良心的過ぎますよね!?
国内のスケートショップでも、だいたい5000円前後で販売されていると思います。(108mmの場合)
何万もするトラックと比べると、初心者でもハードルが低く購入し易いのは嬉しい。
癖がない
TKPの中でも深いカービングが出来る事以外、良い意味で目立つ特性はない。
値段もリーズナブルなのに、ビルトクオリティーは比較的高めなイメージ。
初心者にも扱い易いトラックである事は伝えておきたい。
ベースプレート角度が深くカービング向き
抜群のカービング性能は、そのベースプレートの角度からきている。
これに70mm前後のウィールを想定して作られライズされたトラックの高さがプラスする事で、インディペンデント、ベンチャー、サンダーといった3大レギュラーボードトリック用トラックと比べると、ターニング/カービング性能が非常に高くなる。
(ボードの高さが地面からより高くなると、ブッシュにかかる負担も大きく深い角度で曲がれるようになる為)
似たようなTKPだと、メーカーで言えばAceのTKPとベースプレート角度が近い。
予めライズされた設計
1つ上の項目でも触れた通り、ライザーパッドをかまさなくてもトラック自体が65~70mmなどの大き目のウィールを想定して設計されている為、通常のTKPよりも高さがある。
ライズされた設計という事は、高さがある分リーンの際にブッシュに負担がかかる為、ブッシュの性能を引き出しやすい。
流石に構造の限界があるのでRKPまではいかないものの、TKPの中では1番ブッシュに負担をかけられる部類だ。
Paris Street Trucks 108を実際に組んでみた(elos純正と比較)
実際にelosに取り付けながら、純正RKPトラックといくつかのポイントを比較。
幅の比較
elosに純正トラックが装着された状態で、ボード裏側に乗せてみる。
大幅にトラック幅が狭くなる事が分かる。
ウィール幅を考えると、このあたりの幅がベスト。
重さの比較
それぞれのトラック単体の重さを比較。
elos純正RKPトラックが約298g。
ロングボード用トラック幅である180mmという幅に対して、まずこの軽さは異常。
極限まで軽さが追及され肉抜きされたトラックである事が分かる。
このトラックの軽さと純正ウィールの軽さから、elosは世界最小 & 最軽量クルーザーボードとなっている。
続いてParis Street truck 108。
計測結果は約358g。
まぁ一般的なTKPの重さといったところ。
トラックも重さが増す事で、elos独自の軽さは無くなってしまうのが唯一のデメリット。
もしもelosに限りなく軽量なTKPを組みたい、と思う方はTensor(テンサー)というメーカーのMAGLIGHT(マグライト)というTKPが非常に軽量なので、スケートボードショップのオンラインストアから探してみて下さい。
WB(ウィールベース)の比較
まずは純正RKPトラックのWBから。
アクスルの中心で計測すると、約34.5cm。
続いてParis Street trucks。
同様にアクスル中心で計測して、約36.5cm。
2cm程WBが伸びた。
「たったの2cmの変化か」と思うかも知れないが、乗れば乗る程この差は思ったよりも体感する事が出来る。
ブッシングの比較
Paris Street trucks 108ではボトムにストリートバレル、トップにストリートコーンブッシングが付属する。
一般的にRKPはフルサイズのブッシングがフィットするが、TKPなどのストリートトラックはフルサイズはフィットしない。
ストリートトラック用の少し背の低いブッシングを使用する必要がある。
elosでフルサイズのブッシングを使用していたら、少なくともボトムブッシングは流用出来ないので注意しよう。
このビビットなオレンジカラーのブッシング、特に公式でもデュロメーターは公表されていないよう。
触ると比較的ソフトなタイプなのが分かる。85a前後のミディアムぐらいのイメージ。
クルージングにはもともと向いている柔らかさなので、このまま使用しても全く問題ない。
Paris Street trucks装着後
Parisのストリートトラックを装着した後はこんな感じ。
DIYしたシリコン製のショックパッドはかませているものの、ライザーパッドが無くてもしっかりと高さが出てウィールバイトなども一切なし。
ボード幅とウィールエッジが面一という訳ではないけれど、リーンの際にしっかりとウィールエッジに重心が乗る構造に。
ボード幅の方が若干広い仕様なので、パンピングする際に少しの重心移動でより大きな負荷をかけられる。
長い距離をパンプする際に疲れにくく便利。
ボード幅にもっと合わせたい場合は、129mmか149mmあたりが良いと思う。
さて、今日もこれで快適に通勤しますか。