スケートボードとベアリングのABEC(エイベック)は何の関係も無く走行性能に一切影響しない事は、スケートボード初心者でなければ誰でも知っている常識であると以前解説しました。
今回は、完全にデマを信じてしまっているタイプなのか、それとも分かっていて他人を騙して儲けているのか、非常に怪しいアカウントに出会った際のやりとりを記録した記事となります。
(本当にメルカリは中国系の粗悪品やコピー品の偽物を売るプラットフォーム化してきていて、何も知識が無いとジャンルによっては本物すら買えない厄介なツールになってきてますよね)
ここ数年で、スケートボード用ベアリングに関しては価格的にも明らかに偽物が増えたので、またこれは別記事にしたいと思います。
メルカリで見た怪しいABEC11ベアリング
メルカリでスケートボード用ベアリングを検索すると、どこのメーカーのベアリングかもよく分からない、けど激安で本当に使えるのか怪しいベアリングが今では多くの偽物に混じって販売されてますよね。
僕が検索した時に出てきた怪しいベアリングはこちら。
「めちゃ速!! ABEC11」と、あたかもABEC11という数値がスケートボードの走行の速さに関係があるような言い回し。
商品説明は以下の通り。
他の回らないABEC11とは違います
最初から「は?」という印象。
ABECの数値の意味を正しく理解していれば、他のABEC11と違うなんて言葉は出てこないですよね。
仮にこのベアリングがABEC11とレーティングされたのもであれば、レーティングされた以上どんな他のABEC11であろうと同じABEC11であり、それ以上でも以下でもない。
なかなかお目にかからないABEC11めちゃ速ベアリング!
そりゃぁスケートボードにはABEC1でも理論的には十分過ぎる程の精度で、実質それ以上精密なベアリングであっても何も性能差も出ず、ABEC11を出す意味がない。
だからABEC9やABEC11なんて本来必要無いし、ABEC3でもABEC11よりスムーズに回転する性能を持つ可能性がある以上、そもそもABECとスケートボードの速さは何も関係無い。
これ以降の説明文を見てもこれはダメなパターンの人・・・明らかにABECを理解していないか、分かってて騙して販売してる業者だな、と思い見てみると・・・
販売している数や写真や金額も、限りなくグレーの業者のような・・・。
これは色々やっているな~と思い、試しにコメントで質問してみる事に。
この後の展開が、まさかまさかの驚くほど騙されている or 騙しにくる人の典型的な解説をぶっこんできたので、思わず笑ってしまった。
是非この方のコメントをお楽しみ下さい。
まずは小手慣らしに、細かい事は言わず真実だけをざっくり伝えてみる。
ワンプッシュで進む距離に違いが出ますね。
あ~、この人は完全にアウトだ、と僕が確信した瞬間。
最初のコメントはスピードという言葉を僕が使ってしまったので、それ以外のスケートボードの走行に関する事とABECが何も関係無い事を強調してみると・・・
ということは試されたことないんですね。オイルベアリングで違い出ますよ。実証済みなのでまたやってみてください
え?君は一体何を試す話をしているの・・・?(主語をくれ主語を)
まず、ABECという規格を作った委員会自身がスケートボードでそんな違いが出るなんて、一言も言ってない。
実証!?ABECというルールを作った人間達が行っている計測以外に、何を実証したのかそこを教えてくれよ!(笑)
脳内で僕が突っ込んでいるうちに、次のアウト確定なタイプの人が言うような定型文的なコメントが送られてくる・・・。
ABECとは工業規格でベアリングの精密度を数字にして表したもので、数値が大きくなるほど隙間なく精巧に作られているという事を覚えておきましょう。
あぁ~、この人もよく居る隙間タイプのポケモンかぁ~。
それ・・・スケート初心者がよく騙されるマーケティングのデマ情報。
(いや自分で工業規格って言ってる時点で、スケートボードとは全く関係ない事に気付いてよ)
まず、ABECというレーティングにおいてベアリング内部の隙間は評価項目に含まれません。
つまりベアリングの隙間は計測すらされず、全く関係無い。
何が覚えておきましょうじゃ、勉強し直してこい!(笑)
ABEC3でも隙間が無いベアリングもあれば、ABEC7でも隙間が広いベアリングもあり、単純に構造上の問題でメーカーがどう作るかによって差が出るだけである。
その後も隙間が隙間がと繰り返すわ、熱が~、摩擦抵抗が~と返信してくる始末。
・・・もう細かい事は全て冒頭の記事でABECについて全て解説してるので省きますわ。
時速80キロ超えるダウンヒルをスケートするなら熱膨張も少しは考慮する必要があるかも知れないけど、それ以外は膨張する程の熱を持たないので安心してくれ。
因みにABEC数値と耐久性も全く関係ないからな!
ABEC規格を作った人間達が言ってるのだから、全く関係が無い隙間や耐久性の話はいい加減に忘れてくれ。
ここで更なる真実を伝えてみる。
もうね、上の画像で僕がコメントしたようにBones Bearings(ボーンズベアリングズ)の公式ホームページでも、なぜABECがスケートボードに一切関係ないのか、ご丁寧に創始者自ら解説してくれているのよ。
(冒頭で貼った記事内でも紹介してます)
40年以上スケートボードベアリングの開発を続け、様々な研究やテストを繰り返し、スケートボードパーツのトップカンパニーとして走り続けてきた人が「スケートボードにABECは一切関係なく無意味だから、スケートアクションを想定したSkate ratedという基準を作った」と言っているんです。
この人はもしかしたら英語が読めないかも知れないと思い、日本でも若い方の間で少し知名度があるスケーターの動画も紹介。
クロージングのコメントを送ると、返ってきたコメントがこちら。
僕が購入の意思を少しでも見せましたか・・・???
では、の意味が分からないし、よーく分かったのなら変なデマを拡散し他人を騙しながら怪しい商売をするのは今すぐ止めてくれ。
そして何か都合が悪いのか、その後すぐに全てのコメントを消す怪しい出品者。
このコメント削除がいかにも怪しい。
やっぱりこの人は分かってて他人を騙している可能性が高いな、と感じた瞬間でした。
こんな感じで、ベアリングやABECについてよく分かってない人から、分かってても騙しながらポンコツベアリングや偽物のコピーベアリングを販売しているアカウントで、今のメルカリは溢れています。
確実なのはちゃんとしたスケートショップから購入する事。
冒頭に貼った記事も含めてリンクを置いておくので、関連記事も是非興味がある人は覗いてみて下さい。