パソコンのシステムが何らかしらのトラブルでクラッシュしたり、ブルースクリーンに陥ったり、電源が入らなくなったり、BIOSを読み込まなくなったり、いつまでもWindowsのスタートアップが始まらなかったり・・・
と、誰でも自作erなら1度は経験があると思います。
自作PCでなくても、様々なプログラムを起動させたり、ハードもソフトもカスタマイズしていけば行くほど、自ずと何かしらトラブルに見舞われる可能性もあります。
今回はBIOSアップデートをしたらシステムがクラッシュし、PCが一度はBIOSを読み込まないただの箱になった状態から、BIOSを呼び戻し、Windows7をクリーンインストールしたお話です。
BIOSのアップデートはそもそも何の為?
そもそも、何か特別システムに異常や不具合、修正が必要でなければ基本的にはBIOSをアップデートする必要はありません。
BIOSのアップデートが必要な場合は以下の場合のみ:
①互換性や安定性の向上、又は改善。その他バグの修正のため
②使用しているマザーボードの発売よりも後から発売された新しいCPUに対応するため
それを知っていたにも関わらず色々とPCの不具合があったり不可解な事があったので、ふと自分が使用しているマザーボードのメーカーWEBページへ飛び、最近更新されていた最新のアップデート用データが公開されていたのを何も考えず試しに「そいやっ!」っと、ダウンロードしアップデートしてしまった事が原因でした。。。
冷静に考えれば、初めからWindows7のバックアップ機能を使用して、Cドライブを丸ごとバックアップしてからOSのクリーンインストールをしておけば良かった・・・
とは思うものの、これも経験と勉強である。
(´・ω・`)
ASUSが提供するEZ Flashの落とし穴
事の発端は冒頭でお話した通り、BIOSアップデート用データをダウンロードしアップデートしたのがきっかけです。
僕が使用しているASUS(エイスース)製のマザーボードは、BIOS上でBIOSアップデートする機能、“EZ Flash” というものが付いています。
USBメモリやフロッピーディスクからアップデート用データをBIOS上で読み込み、BIOSのアップデートが出来る機能です。
最近のマザーボードは更に機能が進化していると思いますが、ここ10年ぐらいに販売されているASUS製のマザーボードにはだいたい付属されていると思います。
余談ですが、ASUS製のマザーボードには、他にも “AI Suite” というソフトが付属します。
BIOSの画面にいかなくても、OS上で電圧やファンの回転数の調整、各種温度のモニタリングが出来たり、詳しい知識が無い方でも簡単にパネルのボタンを押すだけで、パフォーマンス重視の設定や、エコ重視の設定など、瞬時に設定を切り替えてくれる便利ソフトです。
CPUやGPUのオーバークロックを自動でやってくれる機能も便利で知られています。
ASUS製のマザーボードを購入するなら、PCに入れておいても損はないでしょう。
特に自分でBIOS上の数値をいじらない人にはおすすめです。
実はこのAI Suiteにも、BIOSを更新するASUS UPDATEという機能が含まれてます。
なんて便利なんだ・・・っ!そんなお手軽な時代になったのかっ!と思った方もいらっしゃると思いますが、この機能だけ要注意なんです。
BIOSをOS上、つまりWindows上でアップデートをします。
いちいちPCを再起動してBIOS画面に入り設定する手間は省けるのですが、他に起動しているソフト等によって、ちゃんとしたアップデート手順を踏んでいてもBIOSのアップデートが失敗するリスクを伴います。
面倒かも知れませんが、OS上よりかはBIOS上でしっかりとアップデートする方が圧倒的にリスクは低いでしょう。
実際に何が起きたのか順を追って解説
さて、失敗談に話を戻します。
USBにアップデート用のデータを入れ、PCを再起動させます。
BIOS画面に入り、一番右のタブにある選択肢 EZ Flash を選び、USBの中のデータを選択し、アップデートしました。
BIOS上ではアップデートが完了し、再起動を促されたので、表示されるボタンをクリックしていくと自動でPCが再起動します。。。
と、ここまでは良かったのですが、再起動後の画面が真っ暗で何も立ち上がらない。(汗)
念のため、PC本体のリセットボタンを押して、再度再起動します。
・・・しかし、何も変わらず。
ここでPCに電源が入っているにも関わらず、BIOSすら立ち上がらないという事は、PCパーツに何か異常がある可能性があります。
そうです、Windowsのデータ以前の問題です。
HDDが故障している際にこういった事態が起こるとよく聞くので一瞬焦りましたが、HDD診断ツールをちょくちょく使用して監視していた限りでは特に異常が認められなかったので、HDDの疑いの可能性は低いはず。
(BIOSが立ち上がるけどWindowsが始まらない場合は、各種パーツのハード面よりもWindowsに問題が生じている可能性が高いという事ですね。)
色々スマホを駆使しネットで調べてみるも、やはりかなり複雑なシステムで構成されているこの箱のトラブル解明には、原因の幅が広すぎるっ!
基本に返ってちゃんと一から検証するしかあるまいっ!という結論に至りました。
まずは基本中の基本、CMOSクリアから。
PCの電源がOFFの状態で電源のコンセントを抜きます、そして、マザーボードに電力を供給しているケーブルを全て外します。
マザーボードについているボタン電池を外し、マザーボードの電気を完全に放出させる為に、ジャンパでショートさせます。
(お使いのマザーボードのショートのさせ方は機種によって異なりますので、必ずマザーボードに付属してくるマニュアルを読みましょう)
5秒程ショートさせた後に、ジャンパを元の位置に戻します。
ボタン電池を戻します。僕の場合は何年もボタン電池の交換をしていなかったので、コンビニで新しいボタン電池を買ってきて、ついでに新しいものに交換しました。
※ジャンパの位置を戻し忘れたり、ボタン電池を入れる向きを間違うと、一瞬でマザーボードがお釈迦になる可能性があるのでご注意下さい。
さぁこれでBIOSの初期化は出来たはずだ!
ちゃんと起動するか検証する為に、CPU、メモリー、HDD、CDドライブ、電源という最低限の構成にします。
※最低限の構成にする際はメモリーを複数枚刺している場合、必ず1枚にして下さい。
1枚だけしかメモリーを使用しない場合に刺すレーンは、マザーボードの説明書に記載されているので不安な方はここでも必ず確認してみて下さい。
また、HDDはCドライブで使用するHDDのみを接続し、その他は外しておきます。
PCの電源を入れてみます。
ケースのファンは回転し、電力はちゃんと供給されているはずだが・・・
・・・おかしいぞ、何も・・変化がない。
( ゚д゚)…ソンナバカナ
打てる手は全て打ったのに解決には結びつかず、途方に暮れながら色々なキーワードをネットで打ち込み片っ端から調べていると、1つの希望を発見。
マザーボードは各パーツ取り付け口付近に問題や異常を感知する際にお知らせするLEDがあり、このLEDが点灯していると、何かしらのエラーが起きている可能性があるという記事だ。
そういえば、よく見るとメモリーを抜き差ししたせいか、メモリー付近のDRAM LEDが赤く光ってる・・・
これって何か異常を検知したのか・・?
LEDのすぐ隣に、黒い小さなボタンがある。
マニュアルを読み返して調べてみると、どうやらマザーボードとメモリーの互換性を調整してくれる機能らしい。
今まで正常に使用出来ていたので、互換性が無いといった事はないはずだがとりあえず押してみる事に。
しばらく長押しすると、点灯から点滅に変わる。
よく理解していないまま、とりあえず変化があったのでPCを再起動してみると・・・
BIOSでお馴染みの、American Megatrends のロゴが表示された!!
画像はロゴの一部のみを貼っていますが、自分のPC構成などの情報が下に出るはずです。
そして詳しく文字は覚えてませんが、メモリー調整ボタンを押したので一番下のメッセージに Memory Check OK 的な?メモリを認識するメッセージが流れているのを確認。
とりあえずはこれでBIOSは立ち上がるようになりました。
BIOSの設定画面で確認してみると、BIOSのバージョン自体はアップデートされた状態に。
そこからWindowsの通常起動を試みるが、今度はWindowsが正常に起動しない。
今度はリカバリーを選択しリカバリーを試みるが、エラー表示になり「修復ができませんでした」と表示される。
BIOSが起動出来れば大抵セーフモードで起動出来るので試してみると、セーフモードで起動します。
バックアップ用のHDDを繋ぎ、まず必要なデータを全部バックアップ用ドライブへコピーする。
再起動したら、Windows7のリカバリーディスクをドライブにセットして、CDドライブからのブートをBIOS上で選択。
CDから修復や再インストール、バックアップから復元などの項目が出るので、再度インストールし直す事を選択。
リカバリーも出来るかも知れないが、ここまで来たら一度クリーンインストールをした方が良い。
なぜ僕がクリーンインストールを選んだかと言うと、今後も同じような不具合が出る可能性がある事と、インストールしてみたけど結局使用していないプログラム等が溢れていたからです。
その他レジストリー変更や不要ファイル等、不要なデータやエラーの原因になるデータが自然に肥大化していくのがPCというもの。
そして本当の意味でデータを完全消去したり整理出来るのはクリーンインストールだけであり、一番効果的だからです。
もちろん不具合も圧倒的に減ります。
本当にPCの中を綺麗な状態で保つ人は、常にCドライブのバックアップを取り、定期的にクリーンインストールしている程。
HDD、グラフィックボードやTVチューナーボード等、元の構成に戻し、それぞれ必要なドライバーを入れ直し、セキュリティーソフトも入れなおし、最新の状態にします。
プログラムの再インストールの救世主、Niniteが便利過ぎる
Cドライブのバックアップから復元せずにクリーンインストールを行う場合、誰もが一番面倒に感じるのがプログラムの再インストール。
ただ、そんな面倒を軽減してくれる、Niniteが非常に便利です。
存在はずっと知っていましたが、今回自分で始めて使ってみました。
サイトにアクセスし、必要なプログラムにチェックを入れてダウンロードするだけで、チェックした全てのプログラムをインストールしてくれるインストーラーを自動生成してくれます。
(プログラム毎にインストールするのではなく、希望するプログラムが1度に全てインストール出来るインストーラーを生成してくれる)
これで主要なプログラムの大半は揃うと思います。
Ninite
こんな感じで項目にチェックを入れて、生成ボタンを押すだけの激アツ神ツール!↓↓↓
残りの足りないプログラムは個別にインストールしましたが、さほど時間もかかりませんでした。
こうして改めてインストールするプログラムを厳選していくと、いかに不要なプログラムが多かったか気付かされます。
データがとてもスリムになり、PCの中身がスッキリ!
必要なプログラムを入れ終わったら、何か今度あった時の為にシステムの復元ポイントの作成と、Cドライブのバックアップを取っておき完了です。
パソコン修理はドクター・ホームネット