僕が住む近所に、とある有名なコンビニがあります。
そのコンビニで働く従業員の大半が外国人労働者で構成されていますが、その外人スタッフ達が日本人よりも礼儀正しいと評判で、お客も絶えず、そこで働きたいとスタッフも常に集まる。そんな最強のコンビニが存在します。
そのコンビニこそが、毎年全国で売上げが1位のセブンイレブンです。
僕は偶然にもそのセブンイレブンのオーナーと個人的に関わりがあり、話を聞いたり現場に行く事で勉強をさせて頂いた事に基づき今回の記事を書きます。
何気なく関わっていた方が、実は凄い教育方針の持ち主であり圧倒的な業績を打ち立てた方でした。
そしてその業績の裏側には、コンビニエンスストアのオーナーとしては信じられないぐらいの徹底した教育方針があったのです。
多くの日本人の理解の浅さ、世界から遅れた視野や世界観の狭さ
具体的なオーナーの教育指導内容を説明する前に、まず初めに今の日本人の理解の無さや現状に触れたいと思います。この背景を理解しなくては、これから紹介するオーナーの凄さも解り難く、この記事を読んでいる貴方が今後外人スタッフへ教育する際の教育内容にも影響するからです。
僕個人の経験や考えも交えながらここは説明していきたいと思います。
最近様々なメディアでも、拙い日本語を指摘され外国人労働者が罵倒される、退職させられる、といったケースを目にする事や耳にする事が多くなりました。
僕は高校生活を海外で過ごし日本に戻ってきている身なので、日本がどれだけ海外の方達にとって働きにくい環境かよく分かりますが、国外で暮らした事がない人口が多い日本では、そんな事ですら気付いていない人が多いのが残念ながら現状です。
日本で働く外国人労働者からすると、厳しいと思う事は低賃金や長い労働時間などもあると思いますが、コンビニの従業員などの接客業では拙い日本語を罵倒される事が一番心が折れるそうです。
よくSNSなどで飛び交う日本人の意見
現実的に、ニュースやSNSで外国人労働者が苦労するトピックに対して、「お金を払ってあげてるのだから、日本人と同じサービスや仕事が出来ないとダメだ」とか、「自分で決めて日本に来て働いているのだから、それぐらい我慢しろ」、「能力が足りないなら来るべきではない」、「外人を雇いたい訳ではない」、「異国の地で働く覚悟が足りない」といったような、21世紀の国際社会において、何とも時代遅れな、視野も世界も極端に狭い考えや意見が飛び交っているのが現状です。
僕はこうした意見を目や耳にする度に、「なんて現実が見えてない人達なんだろう。余程狭いお花畑の世界の中だけでしか生きてこなかったのだろうな~。」と、同じ日本人として恥ずかしくなります。
そして、そんな台詞を言っている人達程、自分に甘く人に厳しく、自己中心的な性格の人間が多いこと多いこと。世界が自分を中心に回っていると思っている方達の意見なんて聞いても時間の無駄ですね。
よくSNSで言われている意見に対しての僕なりの答え
● 自分が逆に彼らの立場だったら、例えば英語圏に行き不慣れな英語を使って仕事をしているのに、イントネーションが可笑しいという理由だけで罵倒される。そんな事を自分に置き換えて想像したら、些細でくだらない理由で人に怒ったりする事すら恥ずかしいと思いませんか?
● 自分で決めたのだから~、と言っている方は、特殊な知識や技術がなく日本語に自信の無い外国人労働者の方は選べる仕事の幅が少なく、多くの方が仕方なくコンビニに勤めている事をご存知でしょうか?
また、接客や日本語を早く覚える為に居酒屋、スーパー、コンビニでバイトをするといった方も居ます。
● 能力が足りないなら日本に来るなと言っている方は、日本の社会が既に外国人労働者が居ないと回らない企業や業界が腐る程あって、国の大きな問題の1つとなっている現実は見えていますか?来るなと言っている余裕すら実は無い現状を知った上で発言していますか?
外国人労働者が欲しいが故に、国内の企業による不正な手続きで強引に連れてこられる大勢の人の存在を知った方が良いです。
もしそれでも来るなと言うなら、それを解決する代替案を提案出来ない限り、ただ現実逃避をしているだけという事になります。
● 能力が足りないなら新しい環境へ行くべきではないと言う人は、日本国内でも自分達も転職すら出来ないという事ですよね?新しい仕事をする前に、次の職場の仕事で必要な能力を身に着けてからでないといけないと言っているのと同義ですから。それが出来る人がどれだけ居るでしょうか?
国内の企業でさえも、日本人の新卒を雇うのにどんな職場環境であろうと彼らを教育しないと仕事なんて誰も出来ません。ならば外国人労働者に言葉を教えるのも、日本人よりか教える事が多いだけだと思いませんか?言葉という能力が足りていないだけで、単純にその教育の延長線にあるものだという見方は出来ませんか?
海外で自分が働く事を考えた時も同様です。現地の言葉や習慣、文化を完全に理解する事が、果たして現地に行く前に出来るのでしょうか?
答えは絶対に無理です。
その国、その地域に暮らし働く事で初めて経験したり学んだりする事が世界のどこにあってもあり、それは誰がやっても共通する事だからです。
だからこそ人が働く環境には一定の許容が必要なのです。そしてそれは外人だろうが日本人だろうが関係ありません。少し違う教育になるだけです。
● 外人を雇いたい訳ではないと言っている人は、恐らく一生人の上に立てないタイプの方でしょう。日本人だろうが外人だろうが、優秀な人材であれば教育次第でいくらでも必要な人間へ成長させる事が出来ます。
そういう事を言っている時点で、自分は無能です。と言っているようなもの。日本人の部下でさえ本当に個々の事を思い教育しようと思ったら、それぞれの性格を把握する必要がありますよね。それと同じようにただ国籍や文化が違うという事なので、逆算して何を教えれば良いか、本当に教育が出来る人間なら今の時代ただ人種が違うという理由だけでそんなに文句を言ったりゴネたりする人間はいません。
● 覚悟が足りない我慢しろと言っている人は、発想が幼稚過ぎてもう笑うしかありません。第三者からしたら、それも現実逃避しているだけにしか聞こえないからです。では覚悟という曖昧な人の感情や気持ちをどうしたら計測出来るのでしょうか?どれぐらいの覚悟の人から日本の社会では採用するのでしょうか?その基準はどこにあるのでしょうか?
例えば、「覚悟が自分はありますっ!!ここで雇ってください!」と貴方の目の前で言う人が全員覚悟があるという訳ではありません。もしかしたら怒られたら簡単に仕事を辞めてしまうかも知れません。日本人だろうと外人だろうとここは全く同じですよね。
どれ程覚悟があるかなんて、ある程度面接時に情報は引き出せても誰にも見分ける事が出来ません。それが出来るように基準化出来る人が居たら今頃世界で表彰されて世に大きく貢献している事でしょう。
覚悟が足りないと言うならば、逆に覚悟が足りている状態とはどんな状態の事ですか?どんな定義になるのでしょうか?それが説明出来ないのなら、それは何の代替案でもなければ現状の何も解決しません。
例えば何か自分が仕事で失敗をして、なぜ失敗をしたのか上司に具体的な原因を聞かれても、貴方は「覚悟が足りないからです。」なんて言いますか?覚悟が足りてれば失敗しない保証はどこにあるのでしょうか?
ご覧のように、ここで挙げた一部の狭い世界に生きている人達の否定的な意見は、どれも非現実的なものばかりです。誰でも冷静になったら現実的ではない発想だと分かるはずの事ですら、SNSで意見として飛び交うのが今の日本の現状なのです。
そうした一部の人間から、いかに無茶なクレームをつけられないように立ち回るかがポイントとなってきます。
日本語は世界的に見ても覚えるのが難しい言語である
まず覚えておいて欲しい事としては、例えば英語に比べると日本語を覚える事、習得する事は非常に難しいという事。
日々当たり前に自分達が使う言葉だから日本人は冷たい言葉を平気で投げかける人もいるのではないでしょうか??
日本語は特殊で読み書きにも、ひらがな、カタカナ、漢字、と3種類も書き方があります。英語は全てアルファベットも大文字と小文字だけです。
漢字にも音読み訓読みが存在し、漢字を使うたびに漏れなく送り仮名が付いてきます。
物や動物の数え方もある意味特殊で、例えば、いっぴき、にひき、さんびき、と変化します。全て暗記しないといけません。なぜ語尾がぴきになったりびきになったりするのか理由や法則が無いからです。
英語や中国語などは日本語と文法が全く逆になります。
例えば、毎日〇〇を、〇〇君はします。といったフレーズも、〇〇君は〇〇します、毎日。といったように逆から言葉のフレーズを考える必要があります。
日本人に英語が苦手な人が多い理由の1つもここにあります。
そう、例え片言の日本語であっても話せたり読み書き出来るという事は貴方が思っている以上に、凄い事なんです。
さて、色々と前置きが長くなりましたが、全国1位の売上げ業績にはオーナーの教育と、教育以外の要因も存在します。1つ1つ見ていきましょう。
立地条件
同じ系列のコンビニであれば大きく取り扱っている商品が異なる、なんて事はまずないですよね。店舗の面積に応じて取り扱っている商品と取り扱っていない商品という差は若干あっても、ほぼ商品や人員数が同じと想定すると、差がつく部分があるとすれば従業員の質や立地という事になります。
実際に、全国業績1位のこのセブンイレブンの立地も例外なく良い場所に構えています。
と言うのも、場所的にはとある観光地の近くとなるからです。
観光地の中心地ではありませんが、程よく近く、距離もそこまで遠くない場所です。
基本的には観光地の方が住宅街よりも人の流れが多く、常に人が流動的な場所に店舗を構えている事が、来店する客層や人数に影響してきます。
大抵の人は、「じゃぁ都心のど真ん中に構えている店舗程有利じゃないか」と考えがちです。
では果たして、都心の人が多く集まる場所にコンビニがあったら必ず人が人口に比例して入店するか?と聞かれると、実はそうでもありません。利用客が多い分、他の系列のコンビニも含めて店舗数も周囲に多くなるからです。
一定の面積に多くの競合他社が存在する事はそれだけ分散に繋がるという事ですね。
そうした意味でも、同系列や他系列の店舗が周囲に少なく、人通りが見込める立地にあるという条件が業績を後押ししています。
業績No.1を叩き出す、外人スタッフに合わせ徹底した教育
ここがこの記事の本題です。
全国売上げNo.1セブンイレブンのオーナーは、日本人であろうと外人であろうと共通して教える事、日本人スタッフにだけ教える事、外人スタッフにだけ教える事と、大きく分けると3つの教えで成り立っています。
日本人、外人共通して教える事
- 笑顔で接客
- 出来る限り、はきはきとした対応
- スタッフ同士でコミュニケーションを取る
まずは笑顔で接客。これは国内のサービス業ではどこに行っても当たり前の事ですよね。でも実は海外では日本ほど場所により重視されてはいません。無表情で対応される事もしばしば。そうした意味でも日本人スタッフには今よりも笑顔で、外人スタッフには笑顔での接客の重要性を教えます。
笑顔で明るく接客された方が勿論お客からしたら気持ち良いですし、何か外人スタッフが日本語のトラブルがあっても、笑顔で対応した方がお客の怒りをかわない、又はより抑えてくれる効果があります。
笑顔のお陰で、「まぁこの人なりに頑張っているから今回は仕方ないか」と大目にみてくれる方も出てくるでしょう。
はきはきとした対応も同様の効果が見込めます。
スタッフ同士で空いた時間などに積極的に会話し、コミュニケーションする事をオーナーは薦めます。単純に職場の従業員の仲が良く、一体感や連帯感がある方が良い雰囲気の職場になるからです。こうした雰囲気を客でも気にしている人はすぐ分かると言います。
また、お互いのバックグラウンドを理解し合う事で助け合うような思いやり精神が芽生えるとの事。人種が違えば尚更です。
日本人スタッフへの教え
- 外人スタッフへの配慮
- 外人スタッフの足りない日本語を教える
- 自分達がリーダーだと意識付けする
日本人スタッフは数が少ない事が多い店舗ですが、そんな少ない日本人スタッフだからこそ外人スタッフと一緒に仕事をする際に、仕事の内容や手順に不備が無いか、日本語はちゃんと話しているか、接客に問題が無さそうかなど、細かく気を配ってあげるように教えます。
また、外人スタッフの誰かが間違った日本語を話したり、もっと良い対応が出来る場合は、接客が終わって客が去った後に外人スタッフに指摘するように言われます。
同じスタッフというレベルだと、どうしても仲良くなるに連れて友達感覚が強くなります。それは非常に良い事ですが、それとは別に一歩引いて自分達が外人スタッフもリードしていくんだと、同じレベルの立場でありながらもリーダーとしての役割も果たせるよう、オーナーから各スタッフに助言が常にあるそうです。
外人スタッフへの教え
- 分からない日本語や対応の仕方があったら必ず誰かに聞く
- 何かトラブルがあったら、まず謝る事に集中する
兎に角分からない事があったら、うやむやにせずにすぐに誰かに聞く。
日本人と違い、人種によっては結構適当に仕事を済ませてしまう方達も居るそうです。勿論個々の性格などもあるとは思いますが、日本人のように勤勉な人が多いというイメージで従業員を使うと痛い目を見る事もあるそうです。
そして何かスタッフ間でも、お客とでもトラブルがあったら必ず最初に謝る事を教えると言います。
日本では何か仕事でトラブルがあった場合、すぐに謝る事が大切ですよね?上司に対して謝る、取引先に行き謝る、日々こんな経験をしている人も多いと思います。国や地域によっては海外ではすぐに謝る言葉を口にする文化が無い人も居ます。
職場の仕事にも言葉にも慣れていないと、トラブルが起きた際に頭が真っ白になってしまう方も居るそうなので、必ず謝罪のフレーズや対応を丁寧に教えておきます。
上司として振舞うよりも仲間意識が大事
日本人スタッフでも外人スタッフでも、そこで働く従業員が皆口を揃えて言うのが、”オーナーは父親のようだ” と言う事。
従業員にとっては職場の上司でもあるが、誰に対しても距離を近くに保ち、何かあれば親身になって相談にも乗ってくれる。そんな心から信頼出来る存在という事なのです。
最近のニュースだとプロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手が、全米オープンテニスで優勝し、優勝へと導いたコーチが普段の練習や大会でも、友達のように触れ合っている事が特集された事が記憶に新しいと思います。
これはスポーツだけでなく海外で共通する文化なのですが、例え職場の上司と部下の関係でさえも日本のように凄く大きな壁があり常に堅苦しいイメージではありません。
時には家族のように、時には上司として厳しく、それでいて良い意味でフランクな関係でいられるというのが多くの海外の国の文化の良い所です。
そうした海外思考に切り替え、フレンドリーに接しながら教育をする事を心がけているそうです。
どんな仕事でも、人に教える時は愛情がものを言う
オーナー曰く、教えるのが下手な人は、自分の感情やストレスを発散させる為だけに言葉を選ばず怒るので、効果的な怒り方になっていないとの事です。
そして何か危険が及ぶ場合は緊急の意味を込めて怒鳴ったり怒ったりする事があっても、普段仕事で何か間違えを指摘する際や教育をする際は、必ず諭すとの事。
叱られるのが怖くて臆病になり、常に上司に怒られないか心配している状態では個々の才能も伸ばす事が出来ず、仕事のパフォーマンスも本人が持つ本来の持ち味が全く発揮出来ないので勿体無い。
ただストレスの捌け口として感情をぶつける上司に教育される部下は自分に自信が無くなっていき、仕事に対しても前向きな気持ちが無くなり、同時にやる気も無くなり表情が暗くなりがちなのだそうです。
働く側も馬鹿ではないので、皆怒られてくると感情をぶつけられているだけなのか、愛情を持ち自分の事を想って注意してくれているのか分かるようになってくるもの。
ただ感情をぶつける上司には部下は絶対についてきてくれません。そうすると、何かあって注意しても右から左に聞き流されるだけで心に伝わらないのです。
オーナーが指摘した事すらちゃんと従業員がやってくれないと、当たり前の事ですが業務に支障が出る。
「これが今出来ないと、将来君がこう困る事になるから、今僕はこれを教えているんだよ」と、何故そう注意されているのか意図が伝われば諭されていても相手もそこまで悪く思ったり落ち込んだりしないそうです。
そしてちゃんと常に1つ1つに理由付けをすれば、大抵の方が効く耳を持ってくれるそう。
オーナーのココが凄い!!
まず、外人スタッフにもベテランから新人まで居るので、そうした事も加味して日本語が未熟なスタッフだけで店舗を回す時間帯を絶対に作らない事。
そして僕が実際に店舗にお邪魔した際に、たまに見たり聞いたりもした事があったのですが、店舗で働く従業員に対して特に外人スタッフには、「〇〇ちゃん、笑顔が足りないよ!もっと元気に行こう!」とか、「今の日本語おしかったね!ここが間違えてたよ、次はこうしてみよう!」と、兎に角積極的にスタッフとコミュニケーションを取っている。
良い対応をしたら、「今の対応すっごく良かったよ!あれなら客も気持ち良いね♪」なんて言葉をこっそりスタッフに話しているのでした。スタッフとの距離のとり方や立ち回りが非常に上手い。
自分が外人スタッフに日本語を教える代わりに、スタッフからも彼らの国の言葉を教えてもらっています。片言でもスタッフの国の言葉を話し、オーナー自らも彼らに歩み寄るスタイルなのです。
僕が個人的に最もビックリした事は、オーナーが自主的に中国語を勉強をしていて今では中国人スタッフと普通に中国語で会話をしている事です。
中国人スタッフの割合が多くなった事と、立地的にも中国人観光客も居る為、自分が話せたり中国人スタッフが多い事で非常に上手くカバーが出来ているとの事。
ここまでスタッフやお客、店舗の為を思い自分から日々勉強し、語学まで覚えてしまうスーパーオーナーを僕はこの方以外見たことがありません。
常に人で賑わう店舗に
こうした様々なオーナーの細かい方針や教育により、今では地元で有名なセブンイレブンになりました。
常連の客が非常に多く、かつ観光客にも幅広く対応しています。
凄いところは評判は客側に留まらず、スタッフを募集していない期間でもここで働きたいと常に働き手に困らないそうです。
働き手の間でも、そのセブンイレブンで働くと他の店舗よりも早く日本語が覚えられる。丁寧に教えてくれる。スタッフが皆親切だと評判だそうです。
毎年本社からの要請
今回ご紹介したように、オーナーの教育方針以外にも様々な要因が重なり全国売上げ1位となっている訳ですが、当然断トツの業績を上げているオーナーが持つ仕事、組織、教育に対する考えや知識、感覚的な部分を求め、解決したい案件があるとセブンイレブンの本社から相談の連絡が直接いくそうです。
それほど企業からも信頼を置かれている証拠ですね。
そして、売上げの悪い近くの店舗のオーナーにもなって欲しいと様々な条件付で常に頼まれるそうです。ただ、必ず全ての誘いを断っているとの事。
何故断るのかと、過去に僕は1度だけご本人に聞いた事がありますが、自分で見て管理して守れる範囲はやはり限られているとの事でした。
立地なども含め、店舗によっても地域柄まったく違うカラーになったりするので、逆に全く同じやり方では難しく、その土地、地域にあった手法での改善が必要なんだと仰っていました。
まとめ
今回記事で紹介したセブンイレブンのオーナーは、「自分がやっているのはごくごく当たり前の教育。でもそんな当たり前の事ですら出来ないオーナーや経営者が多い。コンビニだろうが大手企業だろうが、自分が人の上に立ったらやる事は変わらない。その中身が少し変わるだけだよ。」と言っていました。
コンビニなんて、同じ系列ならどこに入ってもだいたい同じ商品が同じように陳列されている、という普段僕達が無意識に確立させてしまうイメージとは裏腹に、実は各店舗のオーナーに企業から任せられている部分はコンビニ業界は大きいので、そこで目に見えずらいけど差は大きく出るそうです。
その振り幅故の、このオーナーの教育だったんですね。
今回の記事はコンビニのオーナーが、いかに外人スタッフを上手く教育して彼らの接客術や話術、違和感の無い日本語を習得させるかなどの記事となりましたが、コンビニ業界以外にも精通する大切な事が沢山詰まっていると思います。
勿論、誰かに何かを教えるという事に正解はありません。
ただ、どんな職種の最前線の現場でも海外からの働き手と協力していかなくてはいけない環境に居る人、取引先が海外企業の方などにも、非常に参考になる教えだと僕は感じました。
国が用意した法律、企業が用意した制度も大切ですが、ルールや時代が変わっても常に大事なのは周囲の人間の理解がそこにあるかという事。
この記事が少しでも多くの人の意識を変えたり刺激し、これからもっともっと海外からの労働者や移住者の方達が働きやすい国になってくれる事を祈ります。